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21世紀のサイノツノブログ

サイノツノによる提言

ブルース・マンはかっこいい 『クロスロード』

1986年の映画『クロスロード』をみた。

 

まずは、あらすじを紹介しよう。

 

ジュリアード音楽院クラシック・ギターを学んでいる主人公のユジーンは、本心ではブルースに憧れていた。

ブルースのカリスマ、ロバート・ジョンソンの「Crossroad」という曲に登場する「ウィリー・ブラウン」が、近くの犯罪者用の病院に入院していることを知り、清掃員としてウィリーに近づく。

ユジーンはロバートの幻の30曲目をウィリーが知っていると考えており、なんとか教えてほしいと頼む。ウィリーは交換条件として、病院から連れ出し、故郷であるミシシッピ州・ヤズーシティに連れて行くことを提示する。怖気づくユジーンだが、翌朝、人目を盗んでぎりぎりのところで逃亡に成功する。

ところが、ユジーンの持ち金では途中までしか行けなかった。ウィリーのお金もなく、仕方なくヒッチハイクをして目的地を目指すことになる。

二人は途中で入った空家で、フランセスという少女に出会う。家出をして、ダンスをしながら稼いでロスを目指しているというこの少女と、二人は旅路を共にすることとなる。だんだんとフランセスに惹かれていくユジーン。恋仲になったものの、ウィリーとユジーンがダンスホールで共演した次の日、ウィリーに「ロスに行く」と告げて旅立ってしまう。残されたユジーンは、哀しいブルースを奏でるのだった。

 

そんなこんなで、二人はヤズーシティにたどり着く。

ウィリーはユジーンに「ロバートの30曲目はない」ことを告げる。

ウィリーは、若い頃、ブルースの極意を得る代わりに搾取されるという契約(これはロバート・ジョンソンの「クロスロード伝説」をモチーフにしている)を悪魔と結んでいた。ウィリーはその契約を解除するためにヤズーシティまで来たのだった。

契約を結んだ十字路に立つと、悪魔(人間の姿をしているけど)が現われる。悪魔は、ギター対決をして勝てば、ウィリーとの契約を破棄することを告げる。ウィリーはハーモニカ吹きなので、ユジーンが受けて立つことになる。

対戦会場で、ウィリーはお守りを渡してユジーンを励ます。緊張の面持ちでステージに上がるユジーン。対戦相手(スティーブ・バイが演じているので、ものすごいギタリスト)は自信満々だったが、ユジーンのクラシックギター仕込みのテクニックにはかなわなかった。見事に契約は破棄された。ウィリーは「シカゴまでは一緒だが、そこから先は一人だ」とユジーンに告げ、二人はシカゴを目指す。

 

以上があらすじ。

感想をまとめてみよう。

 

まず思ったのが、ブルース・マンはかっこいいということ。というか、ウィリーがかっこいい。私はもともとブルースが好きなので、すこし贔屓目かもしれないのだが。

ウィリーは「ブルース・マン」であることを誇りにしている。逃亡のときにも洒落たジャケットを着ていたり、ミシシッピ州に入るときにはわざわざブルースマンがつけるリボンのタイに付け替えたり。ちょっとおもしろかったのが、病院にいるとき、歩けるのに車いすに乗っていた。その理由が、「車がなくて男と言えるか?」というもの。いやいや、車いすですけれども、という感じだが、ブルース・マンのウィリーがいうとなぜかクールなのだった。

ある町のダンスクラブでウィリーが歌って演奏すると、その場の空気が一変し、3千ドルを稼ぐ。そのうち1千ドルを旅立つフランセスに渡すのだ。お金にこだわりがなく、その日のためのお金を演奏で稼ぐ。ブルース・マン、かっこいい。

 

それから、アメリカ映画を観るとだいたい思うことだが、南部と北部って全く別の国として描かれるんだな、と思った。

この映画においては、ほとんどが南部でのシーンである。だが、やはり北部は洗練された都会として描かれているし、南部は保守の中の保守で、白人の親父が銃をバンバン撃つというイメージがここでも再現されている。そして、古くさい酒場と広大な農場が広がる田舎の風景。

私はアメリカに行ったことがないので、南部の実際の感じがわからないのだが、今でも政治的には保守だろう。そういう傾向はリンカーンの時代から続いているわけで(少なくとも100年以上!)、日本に住んでいるとわからない感覚である。

南部について興味が沸いてきた。

 

まとめると、細かい所を掘り下げないで楽しむのにちょうどいい芸術的な映画である。

悪魔が絡むのでややファンタジックな場面もあれば、ロバート・ジョンソンやウィリー・ブラウンと言った実在の人物のモチーフを使っているからややリアリスティックな感じもある。

観終わったあとは、今までにない不思議な感覚を味わえると思う。

 

クロスロード [DVD]

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Robert Johnsonの「Crossroad」もどうぞ。

2:04と2:17のところに「Willie Brown」という歌詞がでてきます。ちなみに本物のウィリーはギタリストだったもよう。

Robert Johnsonは29曲しかレコーディングを残していないのだが(写真も2枚しか残っていないらしい)、逆にそれが彼のカリスマ性を高めているように思う。かっこいい。

HE IS BLUES !!

 


Robert Johnson- Crossroad