21世紀のサイノツノブログ

サイノツノによる提言

ソフィア・コッポラ監督『SOMEWHERE』の感想

Sofia Coppola監督の『SOMEWHERE』を観た。

ハリウッドスターである主人公とその娘がすごした束の間の時間を描いた作品である。

 

あらすじを短く説明しよう。

ハリウッドスターのジョニーはホテル住まい。女遊びと酒とたばこで日々の退屈をまぎらわす生活を送っていた。彼には離れて暮らす妻と娘がいる。ある日妻から娘をしばらく預かってほしいと頼まれたジョニーは、娘のクレオと束の間の時間を過ごす。クレオとの時間はジョニーにとってかけがえのないものになり、ジョニーは激しく感情を揺さぶられ決意を新たにする。

 

感想を言葉にするのが難しい作品であるが、あえて表現してみよう。

まず、映像が素晴らしく美しい。好みの問題もあるかもしれないが、全体としてもやがかかったような雰囲気である。絵画をみている感覚に近いものがあると思われる。

 

次に、娘のクレオの妖精のような存在感が浮きたっている。クレオが画面に登場するだけで場がパッと華やぐ。ぜひクレオ役のElle Fanningの演技をみてほしい。Elle Fanningのかもしだす雰囲気が圧倒的である。

 

また、主役のジョニーの表情がいい。他の映画と比較すると本作品は台詞が少ない。しかし、ジョニー役のStephen Dorffの表情が上手いので、感情の動きが台詞以上に感じられる。

 

全体として、言葉を超えて観る映画である。本作をみると、言葉を超えた感情表現というのがどのようなものであるかがわかる。

 

Sofia Coppola監督作品は何作か観たのだが、どれも映像が独特の美しさを持っているのはもちろん、どこか物寂しさを喚起させるようなものが多いように思う。そして、映画というよりは、プロモーションビデオをみるような感覚で楽しむ作品が多い印象だ。しかし、『SOMEWHERE』は、彼女のなかの「映画らしさ」がもっとも発揮されている作品であるように思われる。

 

本作の時期設定は夏で、プールのシーンが特にすばらしいので、今の時期にみるとよりグッとくるだろう。

 

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