21世紀のサイノツノブログ

サイノツノによる提言

ブルース・マンはかっこいい 『クロスロード』

1986年の映画『クロスロード』をみた。 まずは、あらすじを紹介しよう。 ジュリアード音楽院でクラシック・ギターを学んでいる主人公のユジーンは、本心ではブルースに憧れていた。 ブルースのカリスマ、ロバート・ジョンソンの「Crossroad」という曲に登場…

可能性は無限大! 『家族を超える社会学 新たな生の基盤を求めて』(新曜社)

『家族を超える社会学 新たな生の基盤を求めて』を読んだ。 書評に入る前に、本を読んでいて感じたことを少し。 私は、本書を3年ほど前に必要にかられて一度読んだ。今回改めて読んでみたら、自分の見方の変化に気付いた。大量の読書を重ねることによって、…

日米のスタッフの比較 『国会という所』(岩波新書)『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』(かんき出版)

今回は、二冊の本を通して見えた日米の「スタッフが持つ権限」の違いについて考えてみたい。 今回の比較対象をはじめに述べておこう。 第一に、リッツ・カールトンのスタッフと日本の一般的な販売員の比較。 第二に、下院議員のスタッフと衆議院議員のスタッ…

ハロウィンの次は 『サンタクロースの大旅行』(岩波新書)

ハロウィンが終わった。 ハロウィンの経済効果はいまやクリスマス以上のものになっていると聞く。10年前くらいからは想像もつかない盛況ぶりである。 しかし、クリスマスは依然として楽しみなものである。 幼い頃、アドベントカレンダーをめくっては、クリス…

ビジネス革命 『BUSINESS AS UNUSUAL ザ・ボディショップのみんなが幸せになるビジネス。』(トランスワールドジャパン)

先日の記事で少し触れたのだが、ボディショップの創業者アニータ・ロディックの著書『BUSINESS AS UNUSUAL ザ・ボディショップのみんなが幸せになるビジネス。』を読んだ。 horn-of-rhinoceros.hatenadiary.jp 本書では、もう少し具体的な仕事の内容や、個別…

性別は「女性」 『世界を変えた10人の女性たち』(文藝春秋)

池上彰著、『世界を変えた10人の女性たち』を読んだ。ラインナップは、以下。ミャンマーの民主化の立役者のアウンサンスーチー。 ボディショップの創業者のアニータ・ロディック。 インドで貧しい人に生涯をささげたマザーテレサ。 女性の社会進出に貢献した…

世界に引き込まれて 『きらきらひかる』(新潮文庫)

私が寝る前に読む本は、すぐに眠りにつける難しい本か、リラックスできる本または好きな本だ。 この前の夜はリラックスしたかったので、江國香織の『きらきらひかる』を手に取った。そうして読み始めたら眠ることを忘れていた。そういえば数年前に読んだとき…

それぞれの「真理」とは 『宗教学大図鑑』(三省堂)

三省堂の「大図鑑シリーズ」をご存じだろうか。 経営学大図鑑、心理学大図鑑、政治学大図鑑、哲学大図鑑など様々刊行されている。そのどれもが、膨大な情報量と豊富なカラーイラストでもってまとめられており、まさに大図鑑と呼ぶにふさわしいシリーズなので…

強い意志が幸福への道 『幸せのちから』

エネルギーを感じたくて、ウィル・スミス主演の『幸せのちから』をみた。 メジャーな映画なのでだいたいの話は知られている気がするが、一応わたしなりにあらすじを説明する。 本作は、実在の人物クリス・ガードナーの経験をもとにつくられている。役名もま…

自由と尊厳と 『ブラッド・ダイヤモンド』

本作は、シエラレオネの内戦を舞台に、いわゆるBlood Diamonds=紛争ダイアモンドをめぐる人々の人生を描いた作品である。 メインの人物は3人いて、シエラレオネの漁師ソロモン、傭兵のアーチャー、ジャーナリストのマディである。 ストーリーをおおまかに…

ソフィア・コッポラ監督『SOMEWHERE』の感想

Sofia Coppola監督の『SOMEWHERE』を観た。 ハリウッドスターである主人公とその娘がすごした束の間の時間を描いた作品である。 あらすじを短く説明しよう。 ハリウッドスターのジョニーはホテル住まい。女遊びと酒とたばこで日々の退屈をまぎらわす生活を送…

美と日本人と郷愁と 『新編 日本の面影』(角川ソフィア文庫)

やっと夏が到来したので、ラフカディオ・ハーン著『新編 日本の面影』を手に取ってみた。 夏がくると情緒あふれる「日本」を感じたくなるのはなぜだろう。日本の夏は蒸し暑くて鬱陶しく思うときも多々あるが、それでも日本の夏はとりわけ「日本」を感じやす…

パンツを通してみる「性」模様 『スカートの下の劇場』(河出文庫)

最近、本ブログでは書評が続いているが、今日も飽きずに書評をしよう。 今日の本は、上野千鶴子著『スカートの下の劇場』 である。 本書は雑誌『is』に著者が寄稿したもの+編集者によって行われた著者への聞き取りをまとめたものである。聞き取り、という手…

政治を動かすものは何か 『独裁者のためのハンドブック』(亜紀書房)

『独裁者のためのハンドブック』を読んだ。 ポップな表紙とキャッチーなタイトルとは裏腹に、その中身は真面目な政治学の本である(とは言ってもだいぶ読みやすくかかれている)。本書は「権力支持基盤理論(Selectorate Theory)」を一般向けに解説したもの…

権力と生命 『身体/生命』(岩波書店)

岩波書店からでている、思考のフロンティアシリーズの『身体/生命』を読んだ。 このシリーズは全16冊+別冊1冊でているようだが、タイトルを見る限り、社会科学を学ぶ者にとって欠かせない話題が数多く取り上げられている。「権力」、「公共性」、「フェ…

梅雨に思い馳せて 『雨のことば辞典』(講談社学術文庫)

少し前に梅雨に入った。 毎日しとしとザーザーと雨が降って、気が滅入ることがある。もちろん、雨が心地よく感じられる日もある。しかし、やはり人間は生物であるから根本的に太陽の光を必要とするようである。 そこで、気が滅入って太陽が恋しい日にぴった…

脳のふしぎいろいろ 『脳からみた心』(角川ソフィア文庫)

角川ソフィア文庫からでている、山鳥明著『からみた心』を読んだ。 本書は、脳に障害が生じた人の例から人間の脳みそのふしぎを探っていく本である。 著者はその症例を「言葉の世界」、「知覚の世界」、「記憶の世界」という三種類に分けて紹介している。 こ…

Webster's Pocket Dictionaryを使って英語と知識を深める

英語学習と情報収集をかねてTIMEを購読しはじめたのだが、先日特典としてWebster's Pocket Dictionaryシリーズが届いた。全部で8冊ある。 そこで、せっかくなので辞書たちを活用するために、興味深い項目をこのブログで紹介し、それに関する話をとりあげてい…

聖地の雰囲気を感じる 『ブッダの聖地』(サンガ文庫)

本書は、著者であるスマナサーラ長老が実際に仏教の八大聖地を二週間かけて旅したときに喋った言葉と写真をまとめた本である。 スマナサーラ長老という豪華ガイドの解説に美しい写真ついているので臨場感があり、読んでいるうちにスマナサーラ長老と一緒に実…

地道に探るということ 『進化とは何か ドーキンス博士の特別講義』(早川書房)

本書は、ドーキンスが行った「クリスマス・レクチャー」の全5回の講演を文章化したものである。「クリスマス・レクチャー」は子供のためにはじめられたということもあって、私のような生物学初心者にも読みやすい本になっている。 まず、本書のタイトルにな…

自ら考えることの大切さ 『増補 オオカミ少女はいなかった スキャンダラスな心理学』(ちくま文庫)

本書は、心理学の専門家でなくとも知っているアマラとカマラの話、サブリミナル効果、アルバート坊やの話、文化や民族の差異による錯視の度合いの違いなどのキャッチーな話題を数個とりあげ、それを批判・検討していくというスタイルの本だ。 その批判の方法…