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21世紀のサイノツノブログ

サイノツノによる提言

何でも自分で作ってみようーー消費から考える生き方

数年前まで私は消費に依存した人間だった。 どういうことかと言えば、「壊れたらまた買えばいいや」といったモノに対する愛情のなさ、「季節が変わったから新しい服を買わなくては」といった強迫観念を持った人間だった。今思えば、自分の特質に由来する感…

年をとってもイキイキしていて欲しい

実家に帰省した際、祖母が歌謡曲のテレビを見ながらボソッと言った。「こんなのしか楽しみがないよ」。わたしは、祖母の孤独と諦めを目撃して、悲しい気持ちになった。 今日は、おばあちゃんやおじいちゃん(ご高齢の人たち)の幸せについて考えてみたい。 日…

坂口恭平を知っていますか

阿刀田高みたいなタイトルだが、今日は、坂口恭平氏を紹介したい。 「自由」とか「思い込みを取り去る」などを意識してブログを綴ってきたが、坂口恭平氏は、それらをナチュラルに実践している人である。 近年は作家活動がコアのようだが、今までの彼の活動…

川上未映子が好きです 『乳と卵』とおすすめ作品

はじめて『乳と卵(らん) (文春文庫)』(川上未映子著)を読んだ時の衝撃は、もう何年か前になるけれど、よく覚えている。 独特のテンポの大阪弁の文体と、適切だがどこか特別な響きのある言葉のつらなりに圧倒されて、「こんな小説は今までに読んだことがな…

「とにかく結婚したい」について考える

先日、知りあいと喋った時、結婚や恋愛について話題が及んだ。その時に「とにかく結婚したい」とのコメントがあった。わたし自身は、「とにかく結婚したい」とは思わないのだが、口癖のように言っている女性は結構多いのではないかと思う。今日は「とにかく…

参議院選挙を前に、女性議員について考える 『日本の女性議員』(朝日選書)

参議院選挙が公示されたので、今日は『日本の女性議員 どうすれば増えるのか (朝日選書)』(三浦まり・編著)を紹介する。本書は、女性議員へのインタビュー、アンケートなどを用いて、女性議員をめぐる状況を分析している。今回は参議院選挙に絡めて紹介す…

女性どうしの友情 『対岸の彼女』(文春文庫)

「女どうしの友情は脆い」と世間は言う。「マウンティング女子」(相手よりも自分の方が上であると示す女子)などという言葉さえある。女性同士を引き裂こうとする言説は世の中に溢れている。しかし、フェミニズム関連の本をあたっていると、「連帯」という…

「女は得だ」は本当か?--レディースデイ、女性専用車両、アファーマティブ・アクション

「女は得だ」と言う人がいる。 そうかもしれない。というのも、今の日本は相対的に女性が不利なシステムで動いているけれども、その一方で、女性は不利なシステムを逆手にとった「戦略」をとることができるからだ(『女性学・男性学 改訂版 -- ジェンダー論…

自由にかっこよく生きる 『村に火をつけ、白痴になれ--伊藤野枝伝』

『村に火をつけ,白痴になれ――伊藤野枝伝』(栗原康、岩波書店)を読んだ。 今話題のアナーキズム研究者、栗原康氏の著作。本書は、「伊藤野枝ファン」の目線で書かれた伝記である。ゆえに、固めの歴史書好きな人には向かないかもしれない。でも、野枝への愛…

童貞マイナスイメージはいかにして作られたか 『日本の童貞』(文春新書)

『日本の童貞 (文春新書)』(渋谷知美・著)を読んだ。 本書は、「すべての現象は言語によって構築されている」とする構築主義の立場から、童貞にまつわる言説を調査・分析し、「童貞が問題になる社会」の姿を明らかにしている。現在の「童貞」は、自虐的に…

現政権の背景にあるもの 『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社新書)

夏の参議院選挙が間近に迫っている。今日は、参議院選挙前に読んでおくべきおすすめの一冊を紹介したい。それが、『日本会議の研究 (扶桑社新書)』(菅野完・著)である。 安倍内閣の閣僚に日本会議の関係者が多い、という話は最近よく聞く。しかし、日本会…

おすすめのクラシック音楽

今日は、おすすめのクラシック音楽を紹介してみようと思う。 特別クラシックに詳しいわけでもないし、楽器の達人でもない一介のクラシック好きだが、3曲ほど取り上げてみる。 まず、サンソン・フランソワが演奏するベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」。 …

家族内の権力関係--自己評価を上げよう

中学生の時、地方議員をしている父親の見栄のために、進学校の受験を強制させられた友人がいた。この前別の友人と話しているときに、父親の仕事を継ぐために働く場所が限定されたことを知った。彼女は働いてみたい場所があったのだが、それは叶わなかった。…

ジャニス・ジョプリンとHIPHOP

今日は、最近グッときたソウルフルな音楽を紹介したい(私はソウルフルな音楽が好きである)。 まず、ジャニス・ジョプリン。最近初めて聴いた。 ジャニスの歌声を聞いた瞬間に衝撃を受けた。歌声だけで引き込むことができるシンガーはそう多くない。彼女は…

自由な選択と本ーー専業主婦という選択について

女子大生の専業主婦志向が高まっているらしい。 その理由というのが、母親世代をみて疲れたからだとか。その気持ちは分からないでもない。私の母親だけを見ても、主婦業を担いながら仕事もこなして、疲弊している。 でも、疲弊した姿を見たという理由だけで…

秋元氏の社会的責任--『アインシュタインよりディアナ・アグロン』を聴いて

HKT48の新曲の歌詞が批判を浴びている。 宣伝になってしまうかもしれないが、まずは歌詞を見てほしい。 アインシュタインよりディアナ・アグロン - なこみく&めるみお(HKT48) - 歌詞 : 歌ネット どう感じただろうか。 歌詞自体は、「女の子は可愛くなきゃね…

フェミニストが嫌われる理由ーーそれでも、私はフェミニストである。

どうやら、日本ではフェミニスト、フェミニズムは未だ嫌われているようだ。当の女性たちからすら、敬遠されているように思う。 しかし、世界をみていると、エマ・ワトソンが国連の女性機関の活動を優先するために俳優業を休業したり、ジェニファー・ローレン…

脱・お金信仰

今日は資本主義について考えたいと思う。 そもそも資本主義とは「資本家は資本を提供し、労働者は労働力を提供するシステム」である。資本主義にもいろいろあるが、全部このバリエーションである。 では、いまの資本主義はどうだろう。いまの資本主義は、お…

最近気になったものを調べました--ビルのランプとサーディンと生理用品と。

今日は、気になった3つのものについて、気ままに書いてみる。 夜、景色を眺めているときに、高層ビルについてる赤いランプが気になった。 ネットで調べてみると、どうやら「航空障害灯」というものらしい。航空機の目印のために、取り付けが義務付けられて…

田舎出身、高学歴女性の行先--田舎で教師か看護師か、東京で就職か。

わたしの女友達(大卒または専門卒)の就職先を分類すると、大きく二つに分かれる。地元で教職か看護師、または、東京で会社に就職である。 地元(関東のとある田舎)に残っている女友達は教職か看護師しかいないのに、東京に出た友達の就職先はそれぞれ違う…

恋愛とは何か 『白い薔薇の淵まで』(集英社文庫)

今日は、中山可穂著『白い薔薇の淵まで』という小説を紹介したい。本作品は、第14回山本周五郎賞を受賞している。 私は毎日2~3冊ほど本を読む。情報収集を目的として読書をするので、「読書を目的とする読書」はあまりしない。ゆえに、小説はほぼ読まな…

本当の敵を思い出せ 『ハンガーゲーム』『ハンガーゲーム2』

私はジェニファー・ローレンスが好きだ。彼女は、2013年にアカデミー賞主演女優賞を獲得した女優である。 『世界にひとつのプレイブック』を観て以来、すっかりファンになった私は、最近彼女の出演作品ばかりを選んで次々に観ていた。 演技はもちろん上手だ…

「会社の飲み会」について考えるーー飲み会の問題点

horn-of-rhinoceros.hatenadiary.jp 上の記事で書いたように、日本の会社は「メンバーシップ型」で運営されている。 このことによって、およそビジネスに似つかわしくない、独特な会社文化が作られてきた。その最たるおかしな文化が「会社の飲み会」だと私は…

黒澤明はすごすぎる 『羅生門』

黒澤明監督の『羅生門』をみた。さすが世界のクロサワと呼ばれるだけあって、作品が徹底的に作りこまれているのがわかり、情報量が凄まじかった。全ては書ききれないが、私なりに『羅生門』を紹介してみる。 超有名作品なのでいまさらあらすじを紹介するのも…

労働を多次元で変革しよう 『働く女子の運命』(文春新書)

いつもこのブログを見ている方々はお分かりだろうが、私は「女性を応援したい、もっと能力を発揮してほしい」と常々思っている。(そしてそれは私の中の大きなテーマの一つでもある。) なぜなら、憲法の下では男女は平等と定められているのに、実際はそうじゃ…

定番服からわかること 『FASHION:BOX 永遠のモードーー愛すべき時代のアイコン』

『FASHION:BOX 永遠のモードーー愛すべき時代のアイコン』を読んだ。 白いシャツ、 Tシャツ、ジーンズ、トレンチコート。 どんな人も認める「定番」の服。 定番服であるがゆえに、時と場所をまたいで、さまざまに着こなされてきた。 本書では、この50年間ど…

国民皆保険のすばらしさ 『沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ!日本の医療>』

ついに国会でTPP関連法案が承認にかけられる。 いま、TPPが発効したあとの日本がはどうなるのかを知る必要があると思う。 アメリカはTPP加盟後の日本の姿なので、アメリカの状況を見てこれからに備えよう。 堤未果は本物のジャーナリストだ。 数々の取材を行…

ブルース・マンはかっこいい 『クロスロード』

1986年の映画『クロスロード』をみた。 まずは、あらすじを紹介しよう。 ジュリアード音楽院でクラシック・ギターを学んでいる主人公のユジーンは、本心ではブルースに憧れていた。 ブルースのカリスマ、ロバート・ジョンソンの「Crossroad」という曲に登場…

可能性は無限大! 『家族を超える社会学 新たな生の基盤を求めて』(新曜社)

『家族を超える社会学 新たな生の基盤を求めて』を読んだ。 書評に入る前に、本を読んでいて感じたことを少し。 私は、本書を3年ほど前に必要にかられて一度読んだ。今回改めて読んでみたら、自分の見方の変化に気付いた。大量の読書を重ねることによって、…

日米のスタッフの比較 『国会という所』(岩波新書)『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』(かんき出版)

今回は、二冊の本を通して見えた日米の「スタッフが持つ権限」の違いについて考えてみたい。 今回の比較対象をはじめに述べておこう。 第一に、リッツ・カールトンのスタッフと日本の一般的な販売員の比較。 第二に、下院議員のスタッフと衆議院議員のスタッ…

ハロウィンの次は 『サンタクロースの大旅行』(岩波新書)

ハロウィンが終わった。 ハロウィンの経済効果はいまやクリスマス以上のものになっていると聞く。10年前くらいからは想像もつかない盛況ぶりである。 しかし、クリスマスは依然として楽しみなものである。 幼い頃、アドベントカレンダーをめくっては、クリス…

ビジネス革命 『BUSINESS AS UNUSUAL ザ・ボディショップのみんなが幸せになるビジネス。』(トランスワールドジャパン)

先日の記事で少し触れたのだが、ボディショップの創業者アニータ・ロディックの著書『BUSINESS AS UNUSUAL ザ・ボディショップのみんなが幸せになるビジネス。』を読んだ。 horn-of-rhinoceros.hatenadiary.jp 本書では、もう少し具体的な仕事の内容や、個別…

性別は「女性」 『世界を変えた10人の女性たち』(文藝春秋)

池上彰著、『世界を変えた10人の女性たち』を読んだ。ラインナップは、以下。ミャンマーの民主化の立役者のアウンサンスーチー。 ボディショップの創業者のアニータ・ロディック。 インドで貧しい人に生涯をささげたマザーテレサ。 女性の社会進出に貢献した…

世界に引き込まれて 『きらきらひかる』(新潮文庫)

私が寝る前に読む本は、すぐに眠りにつける難しい本か、リラックスできる本または好きな本だ。 この前の夜はリラックスしたかったので、江國香織の『きらきらひかる』を手に取った。そうして読み始めたら眠ることを忘れていた。そういえば数年前に読んだとき…

それぞれの「真理」とは 『宗教学大図鑑』(三省堂)

三省堂の「大図鑑シリーズ」をご存じだろうか。 経営学大図鑑、心理学大図鑑、政治学大図鑑、哲学大図鑑など様々刊行されている。そのどれもが、膨大な情報量と豊富なカラーイラストでもってまとめられており、まさに大図鑑と呼ぶにふさわしいシリーズなので…

強い意志が幸福への道 『幸せのちから』

エネルギーを感じたくて、ウィル・スミス主演の『幸せのちから』をみた。 メジャーな映画なのでだいたいの話は知られている気がするが、一応わたしなりにあらすじを説明する。 本作は、実在の人物クリス・ガードナーの経験をもとにつくられている。役名もま…

自由と尊厳と 『ブラッド・ダイヤモンド』

本作は、シエラレオネの内戦を舞台に、いわゆるBlood Diamonds=紛争ダイアモンドをめぐる人々の人生を描いた作品である。 メインの人物は3人いて、シエラレオネの漁師ソロモン、傭兵のアーチャー、ジャーナリストのマディである。 ストーリーをおおまかに…

ソフィア・コッポラ監督『SOMEWHERE』の感想

Sofia Coppola監督の『SOMEWHERE』を観た。 ハリウッドスターである主人公とその娘がすごした束の間の時間を描いた作品である。 あらすじを短く説明しよう。 ハリウッドスターのジョニーはホテル住まい。女遊びと酒とたばこで日々の退屈をまぎらわす生活を送…

美と日本人と郷愁と 『新編 日本の面影』(角川ソフィア文庫)

やっと夏が到来したので、ラフカディオ・ハーン著『新編 日本の面影』を手に取ってみた。 夏がくると情緒あふれる「日本」を感じたくなるのはなぜだろう。日本の夏は蒸し暑くて鬱陶しく思うときも多々あるが、それでも日本の夏はとりわけ「日本」を感じやす…

パンツを通してみる「性」模様 『スカートの下の劇場』(河出文庫)

最近、本ブログでは書評が続いているが、今日も飽きずに書評をしよう。 今日の本は、上野千鶴子著『スカートの下の劇場』 である。 本書は雑誌『is』に著者が寄稿したもの+編集者によって行われた著者への聞き取りをまとめたものである。聞き取り、という手…

政治を動かすものは何か 『独裁者のためのハンドブック』(亜紀書房)

『独裁者のためのハンドブック』を読んだ。 ポップな表紙とキャッチーなタイトルとは裏腹に、その中身は真面目な政治学の本である(とは言ってもだいぶ読みやすくかかれている)。本書は「権力支持基盤理論(Selectorate Theory)」を一般向けに解説したもの…

権力と生命 『身体/生命』(岩波書店)

岩波書店からでている、思考のフロンティアシリーズの『身体/生命』を読んだ。 このシリーズは全16冊+別冊1冊でているようだが、タイトルを見る限り、社会科学を学ぶ者にとって欠かせない話題が数多く取り上げられている。「権力」、「公共性」、「フェ…

梅雨に思い馳せて 『雨のことば辞典』(講談社学術文庫)

少し前に梅雨に入った。 毎日しとしとザーザーと雨が降って、気が滅入ることがある。もちろん、雨が心地よく感じられる日もある。しかし、やはり人間は生物であるから根本的に太陽の光を必要とするようである。 そこで、気が滅入って太陽が恋しい日にぴった…

脳のふしぎいろいろ 『脳からみた心』(角川ソフィア文庫)

角川ソフィア文庫からでている、山鳥明著『からみた心』を読んだ。 本書は、脳に障害が生じた人の例から人間の脳みそのふしぎを探っていく本である。 著者はその症例を「言葉の世界」、「知覚の世界」、「記憶の世界」という三種類に分けて紹介している。 こ…

Webster's Pocket Dictionaryを使って英語と知識を深める

英語学習と情報収集をかねてTIMEを購読しはじめたのだが、先日特典としてWebster's Pocket Dictionaryシリーズが届いた。全部で8冊ある。 そこで、せっかくなので辞書たちを活用するために、興味深い項目をこのブログで紹介し、それに関する話をとりあげてい…

聖地の雰囲気を感じる 『ブッダの聖地』(サンガ文庫)

本書は、著者であるスマナサーラ長老が実際に仏教の八大聖地を二週間かけて旅したときに喋った言葉と写真をまとめた本である。 スマナサーラ長老という豪華ガイドの解説に美しい写真ついているので臨場感があり、読んでいるうちにスマナサーラ長老と一緒に実…

地道に探るということ 『進化とは何か ドーキンス博士の特別講義』(早川書房)

本書は、ドーキンスが行った「クリスマス・レクチャー」の全5回の講演を文章化したものである。「クリスマス・レクチャー」は子供のためにはじめられたということもあって、私のような生物学初心者にも読みやすい本になっている。 まず、本書のタイトルにな…

自ら考えることの大切さ 『増補 オオカミ少女はいなかった スキャンダラスな心理学』(ちくま文庫)

本書は、心理学の専門家でなくとも知っているアマラとカマラの話、サブリミナル効果、アルバート坊やの話、文化や民族の差異による錯視の度合いの違いなどのキャッチーな話題を数個とりあげ、それを批判・検討していくというスタイルの本だ。 その批判の方法…